ゆうころです。
結婚式は、キリスト式、人前式、神前式と様々なスタイルがありますが、仏前式という仏教に沿った挙式スタイルをご存知でしょうか。仏前式を選ぶカップルは、全挙式の中でも約3%前後と非常に少ないですが、実は仏前式は多くの日本人にとって最も身近な挙式スタイルでもあります。
今回は、仏前式の特徴や流れについて詳しく解説します。
- 仏前式の意味や特徴・メリット
- 仏前式の流れ
- 仏前式を行う際の注意点
- 仏前式を挙げられる場所
これから挙式を挙げる方は、仏前式を一つの候補として検討してみてはいかがでしょうか。
Contents
仏前式は本当に素敵!
私は一度だけ仏前式に参列したことがあります。その新郎新婦さんは、新郎さんがお寺に生まれた方で、ご実家で仏前式を挙げられました。
思ったことはただ一つ。
「素敵!!!!!!」
これまでキリスト式や人前式しか担当したことがなかったですし、自分自身の結婚式も神前式だったため、仏前式は初めての経験でした。
耳慣れたお経やお焼香、お寺の雰囲気など、プランナーながらに、お墓参りをする日本人なら皆仏前式を選ぶべきとも思ったほどです。私自身はキリスト式にはご縁がないと感じていたので日本人にとって身近な神様に誓いを立てようと神前式を選びましたが、そもそもお寺の方がもっと私にとっては身近だったなと後になってから思いました。
プランナーの私ですら、当時仏前式についてはその存在を知らないほどだったので、一般にはほとんど知られていないのが仏前式です。では早速、仏前式にはどのような意味があるのか、どんな内容なのかなど見ていきましょう。
仏前式の意味・特徴
仏前式の本来の意味や、仏前式ならではの特徴、メリットについて見てみましょう。
仏前式は仏様・ご先祖様に来世までの結びつきを誓う儀式
仏前式は、仏教の「因縁」という教えに基づいて執り行われます。因縁というと悪い意味をイメージしてしまいますね。瀬戸内寂聴さんは、「今日を生きるための言葉」というコラムの中で、因縁を以下のように話されています。
仏教でいう「因縁」とは、よい因に結びつく縁を得て、更によい果に発展するという、明るくたくましい思想なのです。
仏前式では、この因縁の考え方をベースに、お互いの来世までの結びつきを誓います。輪廻転生を重んじる仏教ならではです。
さらに、仏前式では仏様やご先祖様に対して結婚を報告する形が取られます。お墓参りやお仏壇でご先祖様を大切にしている家は多いことと思います。そうした、日本の古くからの慣習がそのまま現れているのが仏前式ですから、日本人にとってはとても身近なスタイルなのです。
仏前式は誰でも挙げられる
仏前式を挙げる人の多くは、お寺の関係者や、仏教を深く信仰している人たちです。ここ数年では、芸能人や有名人が仏前式を行ったことも話題になりました。
しかし、本来の仏前式は仏教の教えを重んじる人なら誰でも挙げることができます。お墓参りやお盆の風習、お仏壇にお線香をあげてご先祖を供養する文化に触れたことがあるなら、仏前式を考えてみてもいいでしょう。
仏前式の流れ
仏前式が行われるお寺や宗派にもよりますが、大まかには以下のような流れで仏前式が行われます。
- 入堂
雅楽の中、両親・親族・来賓、そして新郎新婦、最後に僧侶の順に入堂します。本堂に向かって右側が新郎側、左側が新婦側です。 - 啓百文朗読
僧侶が、仏様とご先祖様に対して結婚を報告する啓百文(けいびゃくもん)を朗読します。 - 念珠授与
僧侶が仏前に備えてある、白い念珠(数珠)を新郎へ、赤い念珠を新婦へ授けます。その後指輪の交換が行われますが、念珠授与の代わりに指輪交換が行われることもあります。 - 司婚の辞
新郎新婦は夫婦の誓いを交わし、この誓いにより僧侶が参列者に対し結婚を宣言します。 - 新郎新婦焼香
- 誓杯の儀
新郎新婦に続いて参列者全員という流れで、親族固めのための杯を交わします。 - 法話
僧侶から新郎新婦へ、お祝いのお話が捧げられます。 - 退堂
僧侶、新郎新婦、両親、親戚、来賓の順で退堂します。
仏前式の注意点
仏前式は他の挙式スタイルほど認知度が高くないため、準備などの段階ではいくつかのことに気をつける必要があります。
パッケージ化されていない場合がほとんど・自分たちで準備
仏前式は、一般的なキリスト式や神前式のようにパッケージ化されて準備されてはいない場合がほとんどです。そのため、仏前式に使用するものや招待状など、多くのことを自分たちで検討・決定して準備をしていく必要があります。
両家の宗派が異なる場合には進め方に注意が必要
仏教には様々な宗派があります。同じ地域であっても、宗派が異なることはよくあります。そのため、両家で宗派が異なる場合にはよく話し合いをする必要があります。
双方で意見がまとまらない場合もありますが、その場合には宗教観とは関連性のない人前式や宗派の観念が仏教ほどはない神前式、イベント感の強いキリスト式を選んだ方がいい場合もあるでしょう。
仏前式に参列できるのは親族と一部の来賓だけ
仏前式に参列するのは一般的には親族と一部の来賓のみです。そのため、披露宴に参列するゲスト全員を招待できるような人前式やキリスト式とは考え方が異なります。多くの人に祝福してほしいという場合は、仏前式は向かないかもしれません。
仏前式の参列者には数珠が必要
数珠は、法要や葬儀でもお経を唱える際などに全ての参列者が使います。仏教では魔除けやお守りの意味を持つ大切な道具なのです。そのため、仏前式に参列してもらう親族や来賓には、数珠を持参するようにお知らせをしておく必要があります。
仏前式はどこで挙げられる?
仏前式はどの会場でも挙げられるというわけではありません。どんなところで仏前式を行うことができるのか見てみましょう。
お寺や自宅で仏前式
先祖代々のお墓を見てもらっているお寺で仏前式をお願いするのが、一般的な会場の選び方です。一般的な嫁取りの形での結婚式であれば、夫の実家がお世話になっているお寺に仏前式を依頼することになります。
全てのお寺で仏前式を挙げられるわけではありません。本堂での仏前式が難しい場合には、お寺の僧侶に来てもらって自宅で仏前式を行うこともあります。
ホテル・専門式場で仏前式が挙げられる場合も
仏前式ができるホテルや専門式場もあります。お寺や自宅での仏前式が難しい場合でも、仏前式の意味や流れ、考え方などに魅力を感じている場合には、ホテルや専門式場で行える仏前式を検討してみてもいいでしょう。
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まとめ・仏前式は馴染み深い流れの素敵な挙式
挙式スタイルの一つ、仏前式について解説しました。簡単にポイントをまとめておきます。
- 仏前式では、お経やお焼香、仏教の考え方など、多くの日本人にとって馴染み深い挙式が挙げられる
- 仏前式では、仏様やご先祖様に来世までの結びつきを誓う、「因縁」に基づいた儀式が行われる
- 仏前式はパッケージ化されたプランがない場合がほとんどのため、新郎新婦さん自身が主導して両家のすり合わせや準備を行う必要がある
- 仏前式に参列できるのは親族や一部の来賓のみ、参列者は数珠の持参が必須
- 仏前式は、お世話になっているお寺や自宅で行うのが一般的、ホテルや専門式場で仏前式に対応している会場を選ぶこともできる
多くの日本人に馴染みの深い仏前式、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。